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茨田 マルチスケール光伝播解析グループ


代表者

茨田 大輔 | Daisuke Barada


メンバー

谷田貝豊彦(宇都宮大学)
山東悠介(大阪産業技術研究所)
Boaz Jessie Jackin(京都工芸繊維大学)

研究開発内容

波長以下の微細構造を有する光学素子や三次元的な構造を有する光学素子は,特殊な光学機能を有する.その詳細な光学機能は直感的に予測することは難しく,電磁気学をベースとした光伝播解析を行う必要がある.しかし,そのような構造性の光学機能の予測は,一般的に数値解析を用いて行われるが,計算コストの問題で解析することが難しく,微小領域での解析に限られる.また,たとえ厳密解が得られるような問題であったとしても,厳密解に使用される関数をまともに数値化しようとすると,精度の問題でやはり微小領域に限られる.さらに,光の周波数を一定として解析を行うと,やはり微小領域での効果しか表現できなくなる.一方で,通常の光学素子であれば,光を光線の集まりとして考え,幾何光学によってメートルオーダーの領域であっても機能性を表現できる.そこで,電磁気学から幾何光学へ,ナノメートルオーダーからメートルオーダーを結び付けるマルチスケールな光伝播解析手法の開発を行う.研究対象として,メートルオーダーの曲面に囲まれた領域へのビデオレートでの仮想物体の表示,非破壊・非侵襲で生体細胞内の機能を分子レベルでイメージングする光学素子の開発,撮像素子で直接観察不可能な高密度な空間光信号を抽出する光学素子の開発などを取り扱う.


5年後の到達目標

基礎研究であるため,予算は科研費を中心として申請する.論文はグループから年間2報執筆することを目標とする.5年後には,センチメートルオーダーの大きさの仮想物体をビデオレートで表示可能な光波パターンの計算アルゴリズムの確立,撮像素子で直接観察不可能な分子レベルのイメージングや高密度空間光情報転送のための光信号を抽出する手法の確立,それらの光学素子設計のためのマルチスケール光伝播解析手法の確立を目標とする.


業績